会長御挨拶

中浜慶和/本会 会長・阪神淡路大震災被災者

1940年生まれ。ダイキン工業株式会社・東京支社 特別嘱託。 郷友総合研究所研究員。AICATひろしま(国際協力アカデミーひろしま)副代表理事。 阪神淡路大震災で家族と自宅が震度7の激震に見舞われ、それを契機に市民防災の研究と啓蒙を始める。著書に『震災自衛マニュアル』等。
曾祖父はジョン万次郎こと中濱 萬次郎。
(日本人として初めてアメリカに渡る。坂本龍馬、板垣退助らにも多大な影響を与えたといわれる、激動の幕末における影の重要人物)

 1999年11月12日イスタンブールでの国際防災協議会に出席していた私は、同年8月に相次ぎ2度目のトルコ地震に見舞われました。

トルコでは建物の大半が集合住宅なので建物の倒壊により多数の被害者がでました。このような様々な地震体験から大地震の本当の備えとは一体何なのかを考えていました。地震の備えというと、飲料水や懐中電灯と答える人が多いですが、そういったものは命が助かってからの話であって、まずは地震が発生して数十秒間を無事に切り抜けなければなりません。

先の阪神淡路大震災では、約6400名の方が命を奪われ、その4割以上は地震発生直後10分ほどで亡くなっています。そのほとんどは家屋の倒壊による圧死でした。大地震から家を守ることが命を守ることにつながり、その後の暮らしを守ることにもつながる。

にもかかわらず、私達は住み心地ばかり気にして、建物としての基本性能についてあまりに無関心ではないだろうか。  そこで、まずは我が家の建物としての基本性能を知ること、つまり耐震診断を受けることをお勧めします。そして必要に応じて耐震補強を施す。大切な家族を守るためにも、これは家を持つ者にとって必須義務だといっても過言ではないでしょう。




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